消防法該当品であっても、SDS(Safety Data Sheet)上の分類でUN危険品に該当しない場合、国際輸送や危険物としての扱いにおいて異なる取り扱いとなります。以下では、このような場合の取り扱いについて解説します。
1. 消防法に該当するが、UN危険品に該当しない場合の違い
- 消防法は、日本国内での危険物の取り扱いや保管を規制する国内法で、主に火災予防や事故防止が目的です。消防法に基づいて危険物として指定される物質でも、国際的な基準(例えば、国連の危険物輸送に関する勧告)でのUN分類には該当しないことがあります。
UN危険物の分類は、国際輸送中の安全を確保するための規制であり、航空、海上、陸上輸送で適用される国際基準に基づきます。これは、物質の物理化学的性質に基づいて、爆発性や毒性などの観点から危険度が分類されます。
2. UN危険品に該当しない場合の国際輸送
UN危険品に該当しない場合、国際輸送における規制は緩和されます。以下の点に留意してください
梱包・ラベル:UN分類に該当しない場合、特別なUN認証を受けた梱包材や危険物ラベルの貼付は不要となります。ただし、製品の安全性を保つために、適切な梱包が推奨されます。
輸送書類: 危険物輸送で求められるような特別な文書や許可は不要ですが、通常の輸送書類(インボイス、パッキングリストなど)は引き続き必要です。また、SDS(安全データシート)を準備し、必要に応じて輸送業者に提供することが推奨されます。
輸送手段の制約
UN危険品ではないため、特別な輸送制約(例えば、航空便での制限や特別な保管場所の指定)が緩和される可能性がありますが、輸送業者の基準に従うことが重要です。
3. 国内の規制(消防法)の遵守
UN分類に該当しない場合でも、日本国内で消防法に該当する場合は、その製品の保管・取扱いにおいて引き続き消防法を遵守する必要があります。具体的には、以下の点が重要です。
危険物取扱者の配置
消防法で規定された危険物を取り扱う場合、所定の量を超える場合には、危険物取扱者が必要です。
保管場所の規定
指定数量以上の危険物を保管する場合、所定の設備や保管基準を守る必要があります。
届出・許可 消防法に基づき、一定量以上の危険物を保管・使用する際には、消防署に対して届出や許可申請が必要です。
4. 輸出先国の規制への確認
日本では消防法該当品であっても、UN危険品に該当しない場合、輸出先国の規制が異なる可能性があります。各国の規制(輸送基準や化学物質の取り扱い規定など)を確認し、それに応じた輸出手続きやラベル表示が必要です。
まとめ
消防法に該当するが、UN危険物に該当しない場合でも、国内外での取り扱いや輸送に際して、安全性や法規制を遵守することが重要です。倉庫も受け付けできる倉庫やできない倉庫も考えられますので事前の確認をしましょう。特に輸送中の事故や損傷を防ぐため、SDSを適切に活用し、輸送業者や取引先との連携を密にすることが推奨されます。
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