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揺れる国際物流とサプライチェーン再設計──鉄道ルートと物流DXのいま

今回は日本の新聞・ニュースから、国際物流に関するトピックを2つピックアップして整理してみます。どちらも、これから海外輸送や海外展示会出展を考える企業にとって無視できないテーマです。



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1つ目は、中国内陸から欧州へ向かう「国際貨物列車ルート」の動きです。中国・西安とハンガリー・ブダペストを結ぶ列車が、全区間で固定ダイヤ運行を始めたという報道がありました。電子機器や自動車部品などを積んだ列車が、ユーラシア大陸を横断して、約17日前後で欧州に到着するスキームです。


海上輸送と比べて、鉄道は「リードタイムの短さ」と「ダイヤの安定性」を武器にしています。紅海情勢や異常気象の影響で、アジア〜欧州間の海上ルートが読みにくくなる中、鉄道ルートは「もう一つの選択肢」として存在感を増しつつあります。もちろんコスト面や取扱品目の制約はありますが、調達や在庫戦略の組み立て方によっては、リスク分散の有力なカードになり得ます。


2つ目は、国内メーカーとスタートアップによる「物流DX」の動きです。自動車部品大手のメーカーが、クラウド型の貿易管理サービスを提供する国内スタートアップと連携し、海上輸送の本船動静と自社貨物の情報を紐づけて管理する取り組みが紹介されていました。月間千件規模の貿易案件を一元管理し、今後は海外拠点にも展開していく構想だとされています。


注目すべきは、「どの船に積んだか」を記録するだけでなく、遅延やスケジュール変更をリアルタイムで把握し、生産計画や在庫水準の見直しに反映している点です。従来、現場担当者がメールとエクセルで追いかけていた情報を、プラットフォーム上で共有することで、判断のスピードと精度を高めようとしています。


この2つのニュースに共通しているキーワードは、「ルートの多様化」と「データにもとづく判断」です。地政学リスクや自然災害によって、国際物流はこれまで以上に不確実になっています。その中で、輸送ルートを海上一択から複線化しつつ、同時に、輸送状況の見える化によって社内の意思決定をアップデートしていくことが求められています。


海外展示会への出展や、新市場への輸出を検討している企業にとっても、「どのルートを選ぶか」「どの程度の遅延リスクまで許容できるか」を感覚ではなくデータで設計する姿勢が重要になってきています。国際物流はもはや“ブラックボックス”ではなく、経営計画とつながった戦略テーマの一つとして捉え直す時期に来ているのかもしれません。


当社としても、こうした世界の動きを踏まえながら、お客様それぞれの事情に合った国際輸送プランを一緒に考え、最適なルート選びと現場サポートを提供していきたいと考えています。

 
 
 

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