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執筆者の写真SUIKA Pacific

プラスチックパレットと合板パレット

国際物流におけるメリットとデメリット


国際物流では、輸送効率を向上させるためにパレットの選定が重要です。輸送品目や目的地、輸送条件によって最適なパレットの種類が異なりますが、代表的な選択肢として「プラスチックパレット」と「合板パレット」が挙げられます。それぞれのメリットとデメリットを理解することで、最適な選択を行えるでしょう。


プラスチックパレットのメリット


プラスチックパレットは、その耐久性が大きな特徴です。湿気や水に強く、腐食やカビの発生がほとんどないため、長期間使用できます。また、食品や医薬品の輸送においては、洗浄が容易である点が重要です。衛生面での優位性により、輸送品の品質保持が求められる業界で特に重宝されています。


さらに、プラスチックパレットは一般的に軽量であり、航空輸送や高頻度輸送において輸送コスト削減が期待できます。これに加え、耐久性が高いため、一貫輸送やリターナブル輸送(返却が前提の輸送)に適しています。


プラスチックパレットのデメリット


一方で、プラスチックパレットは初期コストが高い点がデメリットです。特に短期間での使用を前提とした輸送では、コスト面で合板パレットに劣る場合があります。また、損傷時には修理が難しく、破損した場合は全体を交換する必要があることが多い点も課題です。


さらに、廃棄時にはリサイクル可能であるものの、地域や国によっては環境規制が厳しく、処分が煩雑になる場合があります。これにより、サステナビリティや廃棄コストが問題になることも考えられます。


合板パレットのメリット


合板パレットは、その低コストが最大の魅力です。初期費用が抑えられるため、一方向輸送や短期間の利用が多い場合に適しています。また、損傷した場合も修理が容易で、修理コストが安価であることから経済的です。


輸出向けには、合板パレットは熱処理済みである場合が多く、IPPC(国際植物防疫措置)基準を満たしています。これにより、多くの国際輸送で使用可能である点も利点です。


合板パレットのデメリット


しかし、合板パレットには耐久性の欠如という課題があります。湿気や水に弱く、長期間使用すると劣化が進み、カビや虫害のリスクが高まります。そのため、長期的な使用や高湿度地域への輸送には不向きです。


また、重量がプラスチックパレットより重いことが多く、輸送費に影響する可能性があります。衛生面でも劣り、食品や医薬品の輸送には適さない場合が多い点もデメリットと言えるでしょう。


用途による選択の重要性


プラスチックパレットと合板パレットのどちらを選択するべきかは、輸送品目、輸送頻度、目的地の条件によって異なります。食品や医薬品など衛生面が重視される場合やリターナブル輸送ではプラスチックパレットが適しています。一方で、コスト重視の一方向輸送や短期的な使用には合板パレットが最適です。サイズをカスタマイズできる場合もありますしね。


国際物流においては、単に価格だけでなく、耐久性、衛生面、環境規制などを総合的に考慮し、輸送条件に最も合ったパレットを選定することが成功の鍵となります。それぞれの特徴を十分に理解し、戦略的に活用することで、効率的かつコストパフォーマンスの高い物流を実現できるでしょう。


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