
コンテナ船に積載されたコンテナは、船の揺れや外部からの衝撃に対して安全に固定される必要があります。これは、長い航海中にコンテナが動いたり、落下したりするのを防ぐためです。コンテナの固定にはいくつかの方法と装置が使われており、それぞれが船上での安全を確保しています。
1. ツイストロック(Twist Lock)
コンテナを船に固定する最も基本的な方法が、ツイストロックです。
ツイストロックは、コンテナの四隅にある角部(コーナーキャスティング)に挿入される金属製のボルトのようなものです。コンテナを積み重ねた際、このツイストロックが上下のコンテナ同士を連結し、コンテナが動かないようにします。
具体的には、ツイストロックがコンテナのコーナーキャスティングに差し込まれた後、90度回転させて固定します。これにより、コンテナの重量でしっかりと固定され、船の揺れや傾斜によって動くことが防がれます。ツイストロックは手動で取り付けられるものもあれば、自動的にロックされるタイプのものもあります。
2. ラッシングバー(Lashing Bar)
ラッシングバーは、コンテナが横方向や前後方向に動かないように固定するための金属製のバーです。船のデッキや構造物にラッシングバーを取り付け、コンテナのコーナーキャスティングに引っ掛けることで、コンテナがしっかりと固定されます。特に、上段に積まれたコンテナはツイストロックだけでは不十分な場合があるため、ラッシングバーが補強として使われます。
3. ターンバックル(Turnbuckle)
ラッシングバーを締め付けるために使用されるのがターンバックルです。ターンバックルは、ラッシングバーとデッキの間を調整するための装置で、ネジを回すことでラッシングバーを緊密に固定できます。これにより、ラッシングバーがしっかりとコンテナを支え、船の揺れや波の影響を受けてもコンテナがずれたり動いたりすることを防ぎます。
4. セラステルクランプ(Serrated Clamp)
セラステルクランプは、特にコンテナを船の構造物やデッキに直接固定する際に使用されます。このクランプは、コンテナのコーナーキャスティングと船の固定ポイントをしっかりと噛み合わせるため、コンテナが船体にしっかりと固定されます。これも、ラッシングシステムの一部として機能し、安定性を強化します。
5. ガイドレール(Guide Rail)
一部のコンテナ船では、コンテナを垂直に積み上げる際にガイドレールが使われます。ガイドレールは船の構造の一部であり、コンテナの両側を囲んでコンテナが横に動かないようにします。これは特に、船が荒海で揺れたりする状況で、コンテナの位置を安定させるのに役立ちます。
6. 船内とデッキ上の積載方法
コンテナは、船内(ホールド)とデッキ上の両方に積載されます。船内に積まれるコンテナは、主に船の構造により自然に固定され、コンテナがほとんど動かないようになっています。しかし、デッキ上に積まれるコンテナは、より多くの固定器具を使用して安定させる必要があります。デッキ上のコンテナは、波の影響を受けやすいため、特にしっかりと固定される必要があります。
7. 積み重ねの方法
コンテナは通常、最大で7~8段ほどまで垂直に積み重ねられます。下段のコンテナには最も大きな負荷がかかるため、重量の重いコンテナが下に配置され、上には比較的軽いコンテナが積まれます。積載バランスを適切に保つことも、船の安定性と安全性を維持するために重要です。
結論
コンテナ船におけるコンテナの固定は、安全な航行と貨物の保護を確保するために極めて重要です。ツイストロック、ラッシングバー、ターンバックル、ガイドレールなどのさまざまな装置が使用され、コンテナが揺れや衝撃に耐えられるように設計されています。また、積み重ねる順序や配置にも細心の注意が払われ、船の安定性が保たれるように工夫されています。これにより、世界中の海上輸送が安全かつ効率的に行われています。
コメント