今日も2024年8月22日までに発表された国際物流に関する注目すべきニュースをいくつかピックアップしました。
1. 港湾の混雑とサプライチェーンの課題
世界中の港で混雑が深刻な問題となっており、特に紅海での紛争がこれをさらに悪化させています。このため、遅延や運賃の上昇が続いています。アメリカ、中国、ヨーロッパの主要港では、コンテナ取扱量の増加、労働力不足、地政学的な緊張が原因で、待ち時間が長くなっています。
2. 運賃と輸送能力
一部では運賃が安定しているものの、依然として高水準を維持しています。これは、強い需要とコンテナやシャーシなどの機材の不足によるものです。早期のホリデーシーズン向けの在庫確保や学校の新学期向けの需要が増加し、サプライチェーンに追加の圧力がかかっています。アナリストは、8月の終わりには運賃が下がる可能性があるものの、状況は依然として不安定であり、需要に対して供給能力が追いついていないと指摘しています。
3. 北米での労働争議
アメリカとカナダでは、労働者のストライキの可能性が高まっています。アメリカでは、国際港湾労働者協会(ILA)が重要な契約交渉を控えており、9月末までに合意が得られない場合、東海岸および湾岸でのストライキが10月に発生する可能性があります。カナダでは、カナダ鉄道会議(TCRC)との労働争議が進行中であり、これがインターモーダル輸送に影響を与え、鉄道の輸送量が減少しています。
これらの動向から、国際物流の状況が引き続き厳しいことがうかがえ、今後数ヶ月間の輸送スケジュールやコストに影響を与える可能性があります。
カナダ鉄道会議(TCRC)との労働争議についてもう少し詳しく掘り下げてみましょう。
カナダ鉄道会議(TCRC)との労働争議は、カナダ国内の鉄道輸送に大きな影響を与えています。TCRCは、カナダ全国での鉄道労働者を代表する労働組合で、特にカナダ国鉄(CN)との交渉において中心的な役割を果たしています。
2024年におけるこの労働争議は、主に賃金、労働条件、安全性に関する問題を巡るもので、労働者がストライキに突入する可能性が取り沙汰されています。5月から7月にかけて、カナダのインターモーダル輸送量が17%減少し、鉄道全体の交通量も8%減少しました。これにより、カナダの主要港でも貨物の取り扱いが減少し、物流全体に影響が及んでいます。
この争議の行方については、カナダ産業関係委員会(CIRB)の判断が注目されており、8月初旬には重要な決定が下される見込みです。もし労働者がストライキに突入した場合、カナダ国内の鉄道輸送だけでなく、北米全体のサプライチェーンにも深刻な影響が及ぶ可能性があります。
この争議は、今後の物流や輸送計画に大きなリスクをもたらすため、関係者は引き続き注意を払う必要があります。インターモーダル輸送を導入する際に検討が必要となる課題といえます。
今回のニュースソース:
NNR Global Logistics
Trinity Logistics
Container Trucking API
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