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執筆者の写真Pacific

JRコンテナと国際基準コンテナの違い





見た目も明らかに異なるが、国内のJRコンテナをそのまま海外に輸送できないか、あるいは逆もしかりを考えた際にその違いについて調べてみました。


鉄道コンテナ



アメリカの鉄道コンテナ


アメリカの鉄道コンテナは、国際基準(ISO規格)に準拠したものが多く使用されています。アメリカでは、20フィートや40フィートの国際規格コンテナが標準的に使われており、これらは海上輸送にも適しているため、陸上輸送と海上輸送の両方で広く利用されています。


主な特徴

 ISO規格準拠: アメリカの鉄道コンテナは国際貿易に対応するため、ISO(International Organization for Standardization)によって定められた寸法と設計基準に基づいて製造されています。特20フィートと40フィートのコンテナは、国際的な物流ネットワークにおいても統一された規格で使用されており、コンテナ船、トラック、鉄道の間で簡単に移動できるよう設計されています。


-ダブルスタック輸送: アメリカの鉄道は、特に貨物列車において「ダブルスタック輸送」を採用していることが特徴です。これは、1両の貨車に2段積みでコンテナを積載する方法で、特に40フィートコンテナを上下に重ねて効率よく大量の貨物を輸送する技術です。これにより、国際規格のコンテナをより効率的に国内輸送できるようになっています。


-海陸輸送の統合: アメリカの物流システムでは、鉄道と海上輸送の統合が進んでおり、港湾で積み替えられた国際基準のコンテナがそのまま鉄道で内陸まで輸送されます。これにより、国際基準のコンテナが一貫して使用され、効率的なサプライチェーンを形成しています。


したがって、アメリカの鉄道で使用されるコンテナは国際基準(ISO規格)に準拠しており、海上輸送や他の輸送モードとの互換性を持っています。




ヨーロッパの鉄道輸送で使用されるコンテナも、国際基準に準拠しており、海上輸送との互換性を持つ20フィート40フィートのISOコンテナが広く利用されています。ただし、ダブルスタック輸送は普及していない点が、アメリカとの主な違いです。



日本のJRコンテナの20フィートと国際基準の20フィートはちがう


JRコンテナの20フィートコンテナと国際基準の**20フィートコンテナにはいくつかの違いがあります。


1. サイズと容量


    JRコンテナの20フィートコンテナは、国内鉄道輸送向けに設計されており、国際基準のコンテナとはサイズや形状がやや異なります。具体的には、JRコンテナは日本の鉄道インフラに合わせてやや小さめに設計されています。例えば、JRの20フィートコンテナの高さや幅は、日本の鉄道トンネルや駅のプラットフォームなどに適合するようになっています。

   

-国際基準の20フィートコンテナ(ISOコンテナ)は、グローバルな海上輸送に使用される標準コンテナであり、国際貿易で広く使われています。サイズは、長さ20フィート(約6.1メートル)、幅8フィート(約2.44メートル)、高さも8フィート6インチ(約2.59メートル)または9フィート6インチ(約2.9メートル)のいわゆる「ハイキューブ型」があります。


2. 重量制限


    JRコンテナの20フィートコンテナは、国内の鉄道輸送を念頭において設計されており、積載できる最大重量は約5トンから8トンと比較的軽めです。これは、日本の鉄道インフラが狭軌(1,067mm)であり、重量制限が厳しいことに起因しています。


   一方国際基準の20フィートコンテナは、最大積載重量が約28トンに設定されており、主に船舶、トラック、鉄道による多モード輸送に対応するため、大量の貨物を扱えるようになっています。


3. 取り扱いと用途


   JRコンテナは、主に日本国内の物流に使用されており、国内の倉庫や工場から駅までの鉄道輸送に特化しています。日本の道路や鉄道ネットワークに合わせたコンパクトなサイズと設計が特徴です。


   国際基準の20フィートコンテナは、主に海上輸送で使用され、世界中の港で標準化された取り扱いが可能です。海上輸送後に鉄道やトラック輸送が行われ、グローバルなサプライチェーンに組み込まれています。


4. 使用環境


 JRコンテナは、国内向けの短距離輸送や特定の産業のニーズに合わせた使い方がされており、食品、日用品、工業製品などの配送が中心です。


国際基準の20フィートコンテナは、長距離輸送に耐えるよう設計されており、あらゆる種類の貨物(特に大量の工業製品や資材)を世界中に運ぶことを目的としています。


まとめ


JRの20フィートコンテナは日本の鉄道輸送に特化しており、サイズや積載重量が日本国内の基準に適合しています。一方、国際基準の20フィートコンテナは、国際貿易において広く使用される標準コンテナであり、グローバルな輸送に対応しています。


アメリカの荒野を走るコンテナを積んだ鉄道のスケール感にはいつもすごいなと思います。


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