FOMOCの発表内容予測
2024年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、4年ぶりに利下げが行われる見通しです。多くの専門家が25ベーシスポイント(bps)の利下げを予想しており、現在の政策金利である5.25%~5.50%が引き下げられる見込みです。これは、インフレ率が落ち着き、労働市場が弱まっていることを受けた対応です。
※1ベーシスポイントは0.01%に相当します。つまり、5ベーシスポイント(5bps)は0.05%を意味します
一部では50bpsの大幅な利下げが行われる可能性も示唆されていますが、そうなるとこれは市場を驚かせる結果となるかもしれません。25bpsの利下げが主流予測であり、これが発表された場合、市場の反応は比較的穏やかだと考えられます。一方、50bpsの利下げが発表された場合、短期的な市場のボラティリティが高まる可能性があります。
※「ボラティリティ」とは、金融市場において、資産の価格変動の激しさや不安定さを表す指標
この会合の結果は、日本時間で9月19日の午前2-3時ごろに発表される予定で、パウエル議長による記者会見も行われます。
FOMC(連邦公開市場委員会)の9月2024年の利下げ決定で日本経済にも影響を及ぼす可能性
1. 円高の可能性
アメリカが金利を引き下げることで、ドルの価値が下がる可能性があります。これにより、円が相対的に強くなり、円高が進行する可能性があります。円高になると、日本の輸出企業にとっては利益が減少し、特に自動車や電機メーカーのような輸出依存度が高い業界に影響が出やすいです。
2. 株式市場への影響
利下げによってアメリカ株式市場が上昇する場合、日本の株式市場にも好影響が期待されます。特にグローバルな資本市場においては、リスク選好が強まるため、日本の株価も上昇する可能性があります。しかし、50ベーシスポイントの大幅な利下げが行われた場合、アメリカ経済の弱さが懸念され、市場に不安が広がる可能性もあります。
3. 資本流入の増加
アメリカが利下げを行うと、投資家は利回りが高い他国の市場を求めて資本を移動させる可能性があります。日本は低金利政策を続けているため、短期的には大きな影響はないかもしれませんが、他のアジア新興国への資本流入が増加し、それに伴う競争が激化する可能性も考えられます。
全体的に、FOMCの決定は為替市場や株式市場を通じて日本に影響を与えることが予想されます。
FOMCの利下げが日本の貿易に与えると考えられる影響
1. 円高による輸出コストの増加
アメリカが金利を下げると、ドルの価値が下がり、円高が進む可能性があります。円高は、日本製品の海外での価格競争力を低下させます。特に、アメリカや他のドル建て取引の多い国に輸出している企業にとって、商品価格が高くなり、輸出が減少する恐れがあります。
2. 輸入コストの低下
一方で、円高は輸入に有利に働きます。輸入品の価格が下がるため、日本の企業は原材料や資源を安く調達できる可能性があります。これにより、国内製造業にとってはコストが削減され、利益率が向上することも考えられます。
3. 米国市場への依存度
アメリカ経済が利下げによって回復基調に入れば、アメリカへの輸出に依存している日本の企業にとってプラスとなります。アメリカの消費が増えれば、日本からの自動車や電子機器などの需要が再び増加する可能性があります。しかし、大幅な利下げはアメリカ経済の停滞を示唆する可能性もあり、その場合は需要の減少が懸念されます。
4. グローバル経済への影響
アメリカの金融政策は世界経済に影響を与えるため、他の貿易相手国の経済もFOMCの決定に反応します。特に、中国やヨーロッパなどの主要な日本の貿易相手国がアメリカの利下げにどのように対応するかも、日本の貿易に影響を与える要因となります。
全体として、FOMCの利下げは円高を通じて日本の輸出に負担をかける可能性があり、同時に輸入コストの低下による利益ももたらす複雑な影響を与えると考えられます。
実際の変化は突然というよりは、じわじわと変化がみられのではと考えます。
ただ9/20の日銀総裁会見の植田総裁の会見発言にも注目ですね。
国際展示会に出展する企業にとっては円高はこの円安で敬遠していた魅力的な海外展示会に出展するチャンス到来になるかもしれません。同じアジアの国が積極的に展示に参加している中、いろいろな日本企業も将来を見据え世界のマーケットにどんどん出展して活躍してほしいと願うばかりです。
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