バンコク2大展示会場:IMPACTとBITECの違いを現場から
ProPak Asia 2026参加を機に、IMPACT・BITECそれぞれの現場感覚を整理。規模・アクセス・会場の雰囲気の違いを出展物流の視点から。

ProPak Asia 2026の搬出を終えて、バンコクから戻ってきた。毎回思うのだが、バンコクの展示会はエネルギーがある。会場を出た瞬間の熱気も含めて。
今回入ったのはIMPACT(ムアントーンタニー)。BITECには年に何度か足を運んでいるが、IMPACTはしばらくぶりだった。久しぶりに両会場を並べてみると、それぞれの個性がおもしろいくらいはっきり見えてくる。

まず数字で整理する
| 項目 | IMPACT(ムアントーンタニー) | BITEC(バンナー) |
|---|---|---|
| 開業 | 1999年(アジア競技大会向け) | 1997年 |
| 所在地 | ノンタブリー県パクレット区 | バンコク市バンナー区 |
| 屋内総面積 | 140,000㎡超(アジア2位規模) | 約70,000㎡ |
| 主要施設 | Arena・Exhibition Center・Forum・Challenger Hall・Portal | 展示ホール×10・コンベンションホール×6・会議室×28 |
| 無柱ホール | Challenger Hall(世界最大級) | — |
| 年間イベント | 490件超・来場者1,500万人以上 | 大規模B2B展示会多数 |
| BTSアクセス | モーチット駅から車で約20分 | バンナー駅からスカイウォーク直結 |
| 市内中心部から | 約40km・渋滞込み1時間超 | スクンビット延長線上 |
| 駐車場 | 屋内外合計15,000台超 | 5,000台 |
| 敷地内ホテル | Novotel Bangkok IMPACT(4つ星・380室)・ibis Bangkok IMPACT | なし(近隣に多数) |
| 敷地内飲食 | レストラン13店舗・ダイニング30店舗以上 | フードコート・カフェ |
| 代表的な展示会 | ProPak Asia・国際コンサート・ミス・ユニバース | Manufacturing Expo・Medical Fair Thailand |
数字で見るとIMPACTがBITECの2倍以上。ただ面積だけで会場の「味」は語れない。
各会場の最新情報は公式サイトで確認できる:IMPACT 公式サイト / BITEC 公式サイト。
開幕前日、クーラーが効いていなかった
これは毎回ではないと思うのだが、今回は開幕前日の午後、ホール内の空調がまだ本格稼働していなかった。バンコクの6月の屋内でクーラーなし、というのはなかなかの体験だ。搬入スタッフ全員で「暑いね」と言いながら作業した。
本番が始まれば当然フル稼働するのだが、搬入日のコンディションは読めないことがある。水分と着替えは多めに持っていくことをすすめたい。それも含めてバンコクの展示会、という気がしている。
BITECとの体感の違い
一番大きな違いは立地の哲学だと思う。
BITECはバンナーBTS駅からスカイウォークで直結していて、スクンビット沿線からそのまま来られる。都市の中に展示会場がある、という感覚だ。会期中も周辺に自然と人が散らばり、終わったあとにそのまま飲みに行ける。
IMPACTは逆で、IMPACTの中に街がある。ホテル2軒・レストラン30店舗以上・全長2kmの屋内デッキ——雨季でもホールとホテルを濡れずに移動できるし、フードコートは搬入の長丁場でも十分使える充実度だ。会場の外に出ると幹線道路と駐車場が広がるだけなのだが、それを補って余りある自己完結感がある。
法被を着てバンコク伊勢丹に立った頃
私がバンコクに初めて来たのは、JETROの食品輸出支援プロジェクトがきっかけだった。日本のメーカーを探すところから始まり、輸出手続き・タイ側の輸入・今はなきバンコク伊勢丹でのテスト販売まで一通り関わった。法被(はっぴ)を着て売り場に立ったこともある。当時バンコクで日本のお酒やりんごやお菓子を並べることには、まだ特別な意味があった。
今のバンコクには日本食レストランが溢れるほどある。隔世の感があるが、それはそれで喜ばしいことだと思っている。
その後はクイーンシリキット国際会議場(QSNCC)での食品展示会で日本企業ブースのサポートも手がけ、バンコクとの縁が続いた。当時使っていた空港はドンムアンで、IMPACTのあるムアントーンタニーに近いエリアだ。今回久しぶりに足を踏み入れて、その頃のことを思い出した。
その後もMetalexやFoodEx系、精密機械と、扱う分野は変わってもバンコク通いは続いた。会場ごとに搬入出の癖も人脈も違う——長く通うと、そういう肌感覚が貯まっていく。BITECが東側で成長し、IMPACTが北側で独自のエコシステムを作ってきた流れは、バンコクという街の発展とそのまま重なっている。
両会場、これからが楽しみだ
どちらが優れているかという話ではなく、展示会の性格によって自然に使い分けが起きている。バンコクの展示会インフラとして、両輪でうまく機能していると思う。
IMPACTの周辺エリアがこれからさらに発展して、会場規模に見合った街になっていったら相当おもしろいことになる。ASEANの製造業・食品・包装分野の展示会は確実に充実してきていて、バンコクの両会場がどう盛り上がっていくか、現場に足を運びながら引き続き見ていきたい。